巷は天変地妖に衆徒の強訴に脅え、侍は覇を競い殿上を争う。<br />治天の君として、天下に君臨する白河法皇。<br />王朝に咲いた大輪の花の面影はすでになく、山里にこもる皇后道子。<br />この、交わることのない生涯を結ぶ宿命の糸は、数奇な人生を辿る祇園女御、あかね、傀儡子(くぐつ)の鷲丸、そして、皇弟三の宮たちの運命を手繰り寄せ、縺れてゆく。<br />大治4年夏、法皇の崩御で物語は終る。<br />