戦国から江戸へ時代が移り変わる慶長年間、京都に「水運の父」と呼ばれた男がいた。<br />豪商・角倉了以は金融業や海外貿易で得た莫大な資金を投じ、京の都をさらなる繁栄に導くため、大堰川や高瀬川を開削する大プロジェクトに挑み、江戸幕府の命により、さらに大規模な富士川や天竜川にも手を広げる。<br />偉大な了以を支えながらも、自らは書や文芸に親しむ生活に魅力を感じる息子・与一。<br />角倉親子の挑戦の年月を描く、長編歴史時代小説。<br />