私の瞳は、なにも映さない。<br />お母さんのタルトは美味しいし、家の裏にある森はいい匂い。<br />ひだまりは暖かい。<br />でもいつか、皆が夢見るように語る、美しいものを見てみたかった……。<br />草原で出会った魔法使い・ヒトが私にくれたのは、「綺麗なものだけが見える」不思議な目だった。<br />これは、あなたが見失ってしまった綺麗なものをもう一度見つけられる、やさしさと友情のお話――。<br />