そこは悪夢の島か、はたまたユートピアか。<br />スミヤキ党員Qが工作のために潜り込んだ孤島の感化院の実態は、じつに常軌を逸したものだった。<br />グロテスクな院長やドクトルに抗して、Qのドン・キホーテ的奮闘が始まる。<br />乾いた風刺と奔放な比喩を駆使して、非日常の世界から日常の非条理を照射する。<br />怖ろしくも愉しい長編小説。<br />