義母の葬式で男は思い出す。<br />22年前に、義母の起こした事故のこと。<br />義母を責めた自分のこと。<br />そして--(「千日のマリア」)。<br />会社に長文の手紙を送りつけてくる女。<br />意を決して女の家を訪ねた男が見たものは(「修羅のあとさき」)。<br />森に囲まれた土地で暮らして20年。<br />引っ越しを間近に控えたその日、はじめて庭に現れた美しい琥珀色の生き物がいた(「テンと月」)。<br />ほか、生と死、愛と性、男と女を見つめた珠玉の8篇。<br />