「ムラセアズサを預かっている。<br />これはイタズラではなく、正真正銘の営利誘拐だ」村瀬梓が勤めるコールセンターに掛かってきた犯行電話。<br />身代金の要求額は1億円、輸送役は100人の警官。<br />なぜ、家族ではなく会社。<br />なぜ、1億円。<br />なぜ、100人も必要なのか。<br />警察と’関係者’たちは、ピュワイトを名乗る犯人に翻弄されていく。<br />「罪」に期限はあるのか――乱歩賞作家が圧倒的な読み味で描く、受賞後第一作、大藪賞候補の文庫化。<br />