小舟町の芳古堂に奉公する栄二とさぶ。<br />才気煥発な栄二と少し鈍いがまっすぐに生きるさぶ。<br />ある日、栄二は身の覚えのない盗みを咎められ、芳古堂から放逐されてしまう。<br />自棄になった栄二は身を持ち崩し人足寄場へ送られるが――。<br />生きることは苦しみか、希望か。<br />市井にあり、人間の本質を見つめ続けた作家の代表作。<br />