被害者と加害者、その家族たちのやむにやまれぬ’想い’をみつめてきた刑事・夏目信人が出会う凄惨な事件の数々。<br />年金不正受給、性犯罪、外国人労働、介護。<br />社会の歪みが生み出す不平等や、やり場のない虚しさを抱えつつも懸命に前を向く人々を理不尽に踏みにじる犯人を前に、常に温かみに満ちていた彼のまなざしが悲しき’怒り’に燃えあがる。<br />日本推理作家協会賞受賞短編を収録、現代社会の闇に切り込んだ4つの傑作ミステリー。<br />