男手ひとつで、心を込めて娘を育ててきたはずだった。<br />そこに突然届いた「お父さん検定」。<br />合格しなければ親権を奪われる。<br />差出人は亡き妻の母だ。<br />健康か。<br />家事はできるか。<br />娘の気持ちをわかっているか。<br />数々の審査項目に細野一郎は七転八倒。<br />「そうだ、夏休みに旅行に行かないか?」「私、留学したいんだ」「今なんて言った?」期間は二ヵ月、娘に相応しい父への道のりは遠い。<br />『ボク妻』著者が描く、一風変わった家族の物語。<br />