東京のホテルでアルバイトをしていたぼくは、長期宿泊客で古美術商の老人と親しくなる。<br />だがしばらくして彼は亡くなり、ぼく宛ての手紙を受け取る。<br />そこには、紀州の竜神村へ行き、壇上家の当主に会うよう記してあった。<br />竜神村を訪ねると、ルネ・ラリック作品の中で幻のカー・マスコット「水晶のヤヌス」を、老人のあとを継いで探してほしいと依頼される。<br />意を決したぼくは、ブルガリア留学生・ポリーナと、ロスからインドへ……。<br />