東京・大田区の高台に樹影荘と名づけられた古びた洋館があった。<br />かつて産婦人科病院として建てられたもので、かたわらには鬱蒼とした樫の大木が生えていた。<br />ここには六組の入居者が住んでいた。<br />この樹景荘で怪事件があいつぐ。<br />トイレの血文字、廊下の血痕、中庭の白骨…血塗られた洋館と住人たちの過去が、今あばかれる。<br />