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りんごの花がさいていた

「さあ、かあさん、ふたりでいこう。
」歩きながらサブロは、背中のいすに声をかけました。
サブロには、自分のせおっているのが、いすではなく、かあさんのように思えるのでした。
いすにすわっていたかあさんは、もういません。
大好きなかあさんでした。
やさしくて、生きるのが少し不器用な青年が、形見のいすとともに世の中を旅し、自分の居場所を見つけるお話。
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