正義など、どうでもいい。<br />俺はただ、可愛い嫁から幸せを奪う可能性を、迷わず排除するだけだ。<br />明日も明後日も。<br />県警本部捜査一課の番場は、二回りも年の離れた身重の妻コヨリを愛し、日々捜査を続けるベテラン刑事。<br />周囲は賞賛と若干の揶揄を込めて彼のことを呼ぶ――現場の番場。<br />ルーキーの船越とともに難事件の捜査に取り組む中で、番場は自らの「正義」を見失っていく――。<br />江戸川乱歩賞作家が描く、新世代の連作警察小説。<br />