警視庁公安部OBの鷹田は絶句した。<br />かつて世を震撼させた「カルマ真仙教」元信者の死刑囚から、秘かに五億円もの金を預かっている男がいたのだ。<br />死刑囚について口を閉ざすその男の余命は三ヵ月。<br />その死刑囚とは誰なのか。<br />その金は教団の隠し財産なのか――二十年の時を経て、あの時が蘇る。<br />すべての蛮行に終止符を打ったはずなのに。<br />元警視庁警視の公安マン・濱嘉之が、自らの捜査経験をもとに記した怒涛の警察小説!