三河以来の直参旗本、森川家は金に困って遠縁に当たる山崎家から養子を迎えた。<br />道楽者と評判の山崎直三郎は三十半ば、妻となる久代は急逝した先代・兵太郎の娘で、まだ十四歳だった。<br />祝言を間近に控え、直三郎が一服盛られた!? ご存じ南町奉行の懐刀・隼新八郎が解きあかす江戸の怪事件。<br />表題作をはじめ七編を収録した傑作短編集。<br />