異国の少年たちの物語のはずが、これは、’ぼくたち’の姿だ――。<br />デビュー作「甘露」が芥川賞候補になった新鋭、待望の初小説集!闘鶏場で胴元を務める父親が、悪魔から村を守る祠をつくる責任者となった日から、ベニグノの周囲は少しずつ変わり始めた。<br />幼なじみのグレッツェンの大切な鶏が殺され、島で殺人事件が起こり、地震で祠が倒壊し――。<br />東南アジアの島の少年を襲う熱くて不穏な暴力を描いた傑作。<br />