真次はこのところ、恐ろしい夢に身も凍る思いをしていた。<br />斧を振るって兄嫁の望を、自分の手で殺してしまう夢だ。<br />ところが、一仕事おえての午睡からさめてみると、夢そのままの光景が眼前に展開しているではないか。<br />果して自分の行為は、夢なのかうつつなのか。<br />あやかしの世界の殺人を描く表題作ほか4編を収録。<br />