真夏の夜、元安川に、人々は色とりどりの灯籠を流す。<br />光を揺らしながら、遠い海へと流れていく――。<br />68年前の8月6日。<br />広島上空で原子爆弾が炸裂した。<br />そこに暮らしていた人々は、人類が経験したことのない光、熱線、爆風、そして放射能にさらされた。<br />ひとりひとりの人生。<br />ひとりひとりの物語。<br />そのすべてが、一瞬にして消えてしまった。<br />朽木祥が、渾身の力で、祈りをこめて描く代表作!第63回小学館児童出版文化賞受賞作。<br />