川辺の下町、東京・三河島。<br />そこに生まれた父の生涯は、ゆるやかな川の流れのようにつつましくおだやかだった──と信じていた。<br />亡くなってから父の意外な横顔に触れた娘の家族のルーツを巡る旅が始まる。<br />遠ざかる昭和の原風景とともに描き出すある家族の物語。<br />第43回泉鏡花賞、第68回野間文芸賞受賞作。<br />