定廻り同心の小者の情報によると、どうも江戸の掏摸(すり)の数が減っているらしい。<br />犯罪が減って悪いことではないのだが、半分もいないというのだから尋常ではない。<br />掏摸といえば江戸では浅草、両国、そして市谷。<br />月也は男装した沙耶を連れて市谷に向かった。<br />地元の掏摸の話によると、どうやら本当に「掏摸のかどわかし」が起きているらしい。<br />月也が釣り堀で注目を集めている間に、沙耶が捜査を進めることになった……。<br />