御側御用人となった意次は、栄進を重ねて、ついに老中に就任した。<br />新知識をもつ文化人との型破りの交流を楽しみ、諸外国の動きに鋭い関心を払い、財政の立て直しに市井の活力を導入する奉公の日々。<br />しかし、実力者に集まる金品、めざましい立身の蔭で、要人との確執は表面化し、将軍継嗣問題を機に、恐るべき敵の姿が、次第に明らかになってくる。<br />水際立った容姿の沈着果断な指導者・田沼意次の生涯を描いた大作、全3巻。<br />