「私を誘拐してください」美しい人妻は、そう呟いて便利屋の手をにぎった。<br />夫の愛を確かめるための’狂言誘拐’だというのだ。<br />金に目がくらんだ俺は依頼を引き受けた。<br />完璧なシナリオを練り脅迫を実行、身代金までせしめたが、そこには思わぬ落し穴が待っていた。<br />二転三転、息をもつかせぬ超・誘拐ミステリー。<br />