――山川登美子は、挽歌を詠むために生まれてきたような歌人だと思う。<br />――その特性を、「三すじの挽歌」に焦点を合わせ、死を見つめ、自らの歌を詠み出す心の軌跡を濃やかに自在に辿る。<br />深い思考が「通念」を超えて、「明星」の歌人・登美子を自立させ、日本の女歌の歴史の中に鮮やかに位置づける。<br />豊かな感性が切り開く、独創的な登美子論。<br />毎日芸術賞受賞作の名著。<br />