二人の愛の巣は線路ぎわ、電車が通るたびゆれる小さな部屋。<br />大都会・東京のすみっこで結ばれて、青春をいちずに生きる、塩子と裕一のかけがえのない時間。<br />だが、心のボタンをいつ掛け違えたのか。<br />彼女が変ったのでも、彼がそむいたのでもないけれど、あんなにはずんでいた塩子が貝になる。<br />……信じることの困難な現代に、愛の神話を希求する青春恋愛小説。<br />こんな恋がめばえたら、あなたならどう育てますか?