空港も鉄道もない、ラオスの奥地の辺鄙な村。<br />そこに佇む瀟洒なホテルのような施設に、世界中から選ばれた者たちが訪れる。<br />コクーン・ルームで記憶の奥深くにアクセスし、その人に最も必要なものを見せてくれる<トリートメント>という施術を受けるために。<br />心に深く傷を負った私は、レモネードという名前を与えられ、客室係の仕事をはじめるが……。<br />表題作「うつくしい繭」をはじめ、愉悦に満ちた文章が、あなたを魂の旅に誘う。<br />