ほれてかよえば千里も一里、ふられてかえればまた千里。<br />――ぐれてのたくりゃ一里も千里、足を洗うにまた千里。<br />ごぞんじ色川節の名調子が冴えわたる。<br />時は昭和二十…年、焼け跡、闇市のその時代、愛すべき無職無宿の大のたくりのやさぐれたちの、哀しくもしたかかでたくましき生きざまを、軽妙なタッチで描いた傑作短編小説集。<br />ぐれて歩いたあの日の、型破りの青春放浪記。<br />