地獄が恐うおすのんか？ 修羅がそんなに恐ろしおすか？ 好いた男と見る修羅や。<br />おちる地獄や。<br />おちとみやす――夏の北嵯峨、陽ざらしの化野に立ちあらわれた妖かしの影、秋童・春之助二人の色子が物語る、はかない栄耀のはての無惨な性……。<br />表題作のほか「恋怨に候て」「影の風神」など4篇、魔に憑かれた魂の官能美の極致、妖かしの陶酔境を描ききった伝奇ロマン。<br />身性の毒が、人を花に変える！（作品集「熱帯雨林の客」改題）
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