明治三陸地震のあと、港町・仙河海で、正妻の子である兄とそりが合わず、鬱屈を粗暴な振る舞いで晴らしていた甚兵衛。<br />事故で沖買船を失うも、北洋でのラッコ・オットセイ猟のことを知り、すべてを賭ける。<br />東北から遙か北の海に繰り出した明治の男の覚悟と男気を描く。<br />著者のライフワーク「仙河海サーガ」、最初の物語。<br />