高校のクラスメイトだった、女流作曲家・晃子の奇妙な死。<br />その死にざまを聞かされたとき、僕は高校卒業を間近にした節分の夜を回想していた。<br />男女合わせて6人の演劇部仲間で、鬼会の放埓な儀式を遊びに選んだのだ。<br />あの夜、晃子を裸にして……。<br />土俗的題材を、独特の美学で幻想世界に昇華させた、著者ならではの秀作集。<br />鬼が出現した青春の一夜の妖しい美ーー鬼面をつけて戯れたあの夜の思い出が、女流作曲家の死に重なる!