「やはらかき 心をもちて まぬがれぬ」一事を待つというも、よしなし病に苦しみ、幾度か死に会い、なお素朴な自然人の心に生きた歌人の随筆集。<br />あの大佛次郎が、「『やわらかな心』は他人には悲壮とみえる生活の血の色にじむ肉片である。<br />明朗であって強靱である。<br />誠実な心が溢れ、かいなでの随筆集とは異質の文章である。<br />……読んで動かされぬ者はないであろう。<br />」と、絶賛した名著。<br />第1回釈迢空賞受賞作。<br />