最愛の夫のハンセン病治療のため、高橋お伝は名医ヘボン博士を頼って、文明開化も間もない横浜に移り住む。<br />異国情緒と活気あふれる港街で、治療費捻出のために夜ごと男を求めるお伝。<br />そして出会った運命の男。<br />彼女は底知れぬ無間地獄の闇に、否応なく引きずりこまれていった……。<br />お伝は悪女か、はたまた貞女か。<br />美貌ゆえに人生を狂わされた一人の女の凄絶な宿命と真実の姿を追った、大衆文学史を飾る傑作長編。<br />