障碍はあっても出来ることはたくさんある! 30年も車椅子の娘を支えた、気丈な母がぼけ出した。<br />母のため、初めて食事を作り、風呂に入れ、カテーテルの処置をする。<br />「オイツメテハイケナイ」呪文を唱え、時に「鬼の邦子」になって、老いに寄り添う。<br />悔いのない別れなんて、あるんだろうか? 万朶の桜の中、看取った母への癒し難い思いが、胸に痛い。<br />老い・介護とは?を問う、著者みずからの体験を綴った名篇。<br />