出向を拒否して通産省をとび出し、民間会社に就職した馬淵英介は、若いモデルと再婚する。<br />殺人の刑期を終えた妻の祖母が同居し始めたことから、新家庭はとめどなく奇妙な方向へ傾き、ついに周囲の登場人物がそれぞれ勝手な「反乱」を企てるに到る。<br />――現代的な都会の風俗を背景に、市民社会と個人の関係を知的ユーモアたっぷりに描いた、現代の名作。<br />谷崎潤一郎賞受賞作。<br />