新宿歌舞伎町の喧騒をやりすごした片隅に、その小さな酒場はある。<br />ここに慕い寄る常連客たちの、歯に衣着せない会話の妙。<br />だが、彼らの情報やマダムとの応答の背後には、人生の明暗や世相の風波が見え隠れするのだった。<br />軽妙洒脱な語り口で定評のある「小説の名手」が、酒場を舞台に人生模様を描く独特の長編小説。<br />