その日、藤原家に縁ある邸に生まれたのは珠のような姫君。<br />名を花房といい、都の陰陽師たちが「傾国の女性」と予言し、抹殺しようとした存在だった。<br />両親は花房を守るために性別を偽り、男として育てることを決心する。<br />一方、誕生したのが甥だと信じて疑わない藤原道長は、見目麗しく賢く成長した花房を溺愛し、我が子のように連れまわすが……。<br />栄華と陰謀が入り乱れる、百花繚乱の平安絵巻全4冊合本版。<br />