井之頭公園内にある羆(ひぐま)の檻の前で、羆の爪痕を遺す男の死体が発見された。<br />死体の傍には、新興宗教・正聖会のバッジが落ちていた。<br />死者の戦友だった町工場の社長・池見は、週刊誌記者・鹿子の協力を得て、事件の核心に迫る。<br />が、事件は第二、第三の殺人事件へと発展、謎は深まる。<br />本格謎解きに、戦争犯罪を絡ませた異色ミステリー。<br />江戸川乱歩賞受賞作。<br />