未曾有の災害に襲われた町。<br />高校生のサナエは、幼い弟を連れて避難所に身を寄せていた。<br />混乱の中、押し寄せるマスコミの取材にねじれた高揚感を抱くサナエ。<br />だがいつまでも目を背け続けるわけにはいかない、いつか訪れなければならない場所があった。<br />強く、脆く、そして激しく--喪失の悲しみと絶望の底からの、帰還の旅路。<br />