偶然の聖地
小説という、旅に出る。
国、ジェンダー、SNS――ボーダーなき時代に、鬼才・宮内悠介が届ける世界地図。
本文に300を超える「註」がついた、最新長編小説。
秋のあとに訪れる短い春、旅春。
それは、時空がかかる病である――。
人間ではなく世界の不具合を治す’世界医’。
密室で発見されたミイラ化遺体。
カトマンズの日本食店のカツ丼の味。
宇宙エレベーターを奏でる巨人。
世界一つまらない街はどこか……。
オーディオ・コメンタリーのように親密な325個の注釈にガイドされながら楽しく巡る、宮内版’すばらしい世界旅行’。
’偶然の旅行者’たちはイシュクト山を目指す。
合い言葉は、「迷ったら右」!――大森望(書評家)この小説を体感していると、混沌と秩序って、向こう岸にあるのではなく、隣にあるのではないかと思えてくる。
生きる上で生じたバグに体を浸し、誰かと誰かのハブになる。
バグとハブもまた、隣にあるのではないか。
1ページごとに困惑がやってくる。
困惑がやがて快楽に変わる。
困惑と快楽、これもまた隣にある。
一体どういうことだろう。
――武田砂鉄(ライター)
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