1966年8月15日。<br />根津謙治は、仲間たちと豪邸の前にトラックを止めた。<br />戦後の混乱期に財を成した実業家から現金11億円を奪うためだ。<br />その際、根津は不本意ながら一人の女性を射殺してしまう。<br />それから14年。<br />時効が近づいた頃、彼らの身の周りに新たな事件が続発する。<br />首尾よく離散したはずの男たちの軌跡が再び交差する時、人間の業と事件の真相が明らかになる。<br />昭和の時代と風俗を克明に描写した熱き犯罪小説。<br />