ちょっぴり色気も出てきたし、ちょっぴり大人の世界ものぞいた。<br />そしてちょっぴり出世の希望も持ちはじめた。<br />「そうだ、駿府へ行こう。<br />うまい働き口があるかもしれない」と、胸はずませてやってきた、すばしっこい小猿。<br />途中で別れた日吉丸の名を失敬して、武家奉公にありついた。<br />ところがどっこい、世の中、そうそう甘くはない。<br />再び放浪生活が始まる……。<br />運は天に! 努力は惜しまず! 甘くはないががんばるでなも。<br />痛快・軽快な時代長編。<br />〈全五巻〉