毎年、夏になると鈴鹿サーキットに通い続けてきた麻子。<br />それは耐久レースを観るためではなく、スタンドのはずれの海の見える場所で、森谷透に会うためだった。<br />出会いは、麻子が16、森谷が20歳のとき。<br />それから二人は愛し合いながらも、森谷は単身イタリアに渡り、麻子は小学校の教師と結婚をする。<br />その後、再会した二人は7年間も同じ日同じ場所で逢瀬を重ねてきた。<br />20年に亘る愛の奇跡の結末は……。<br />『浅の川暮色』も収録。<br />