癌で死んだ或る作家の遺書『わが性の白書』の出版をめぐる、関係者たちの思惑とその「真相」。<br />逆手にとりつつ、文壇・マスコミに登場する女流作家の放胆な軌跡。<br />現代という時代の「世界の空虚さ」の真只中で演じられる、真摯に生きようとする者たちの喜劇的なドラマ。<br />文芸評論家・中村光夫が、初めて50代で執筆発表した、痛撃な批評と苦いユーモアの漂う、意欲的長篇小説。<br />現代風俗を取り込んで描く、果敢な挑戦作。<br />