かつて家庭は小さいながらも、それぞれがひとつのノアのはこぶねであった。<br />夫婦と子供たち、庭にはさまざまな木々や花々、小さな動物たち、ときには思いがけない来客もある。<br />……ちょっと変な造りのこの〈にぎやかな家〉がかもしだす芳醇な世界は、極上ワインの味であり、失われゆくものへのひそやかな挽歌でもある。<br />数々の名作を生み出し、多くの文学賞を受賞した児童文学者にして、元帝塚山学院大学学長の名作。<br />