徳川家康に信頼され重用されて、幕府草創期に辣腕を振った能吏・本多上野介正純(こうずけのすけまさずみ)。<br />二代秀忠の世になり、「宇都宮釣り天井事件」の嫌疑で失脚、奥州に無惨な幽閉の身となる。<br />権力の非情と冷酷、汚名に甘んじる自己犠牲。<br />一切を黙して配所に赴く正純の潔い人間像を、陰密の目を通して骨太に描き出す、傑作歴史長編。<br />権力の冷酷非情に甘んじる、自己犠牲の武士道!