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川っぺりムコリッタ

「なんで生まれてきちゃったんだろうって、ずっと思っていました」’ひとり’が当たり前になった時代に、映画監督・荻上直子がろくでもない愛すべき人々のアパート暮らしを描く、書き下ろし長編小説。
高校生の時に母親に捨てられ、知り合いの家や建設現場を転々とし、詐欺で入った刑務所で30歳を迎えた山田。
出所後に海の近くの塩辛工場で働き始めた彼は、川べりに住みたいと願い、ムコリッタという妙な名前のアパートを紹介される。
そこには図々しい隣人の島田、墓石を売り歩く溝口親子、シングルマザーの大家の南など、訳ありな人々が暮らしていた。
そんな山田に、役所から一本の電話がかかってきた。
幼い頃から一度も会っていない父親が孤独死したので、遺骨を引き取ってほしいという――。
ずっと一人きりだった青年は、川沿いの古いアパートで、へんてこな仲間たちに出会う。
友達でも家族でもない、でも、孤独ではない。
’ひとり’が当たり前になった時代に、静かに寄り添って生き抜く彼らの物語。




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