若くして滅亡の美を視た人々の生を、静かな抒情に寄せて綴る、遺作「空蝉」。<br />人妻と青年の禁じられた恋愛を描く、幻の処女作「晩夏」。<br />未発表作「遁走曲」。<br />生前に単行本未収録であった「交喙の嘴」「春の修羅」「掌の小説」……など10篇を収録。<br />立原正秋の出発点と終着点を示し軌跡を伝え、その華麗な文学世界の真髄を凝縮した、異色短編集。<br />滅びの美しさを謳う立原文学の原点と到達点が、ここにある!