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天を掃け

たしかに。
すばるは宇宙人だ。
ほかのだれとも違う。
何かを秘めている。
この山には駿馬の知らなかった景色がある。
すばるが見上げていたこの空で、何かが駿馬を待っている――。
耳元で、ばちっと音が聞こえたような気がした。
(本文より)/短距離走者(スプリンター)として期待されながらも、走れなくなった駿馬は、たったひとりで小惑星探索にいどむ昴と出会う。
中学二年生の夏の物語。
「小惑星を発見して、名前をつけるのが、おまえのやりたいこと?」 無言でうなずいたすばるに、駿馬は息を呑む。
「……わかんないけど、その夢、ハードル高すぎね? むずかしいんじゃないの」「ハードルの高さは関係ない。
あんたはむずかしかったから諦めるのか? ……夢」 ビー玉みたいな目が駿馬を射貫く。
浮かべた笑みは、挑発、いや、嘲笑だ。
駿馬はぽかんと口を開けた。
ジャブなしの右ストレート、またはロープに振らない三角飛びドロップキック。
――強烈。




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