玉川上水で、日東グラスウールの常務・郷司が殺害された。<br />転職のことが原因で郷司と対立していた、東北出身の田代少年が疑われる。<br />田代は内気で言葉の訛をからかわれるのがいやで、職場でも孤立している青年だった。<br />後日発見された凶器の紙バンドも田代の工場の物とわかり、彼への容疑は深まる。<br />寄る辺ない青年の孤独を描く傑作推理。<br />第9回江戸川乱歩賞受賞作。<br />