異常に厳格で、病弱で、夫婦仲の悪い両親を持つ、大屋敷理加子は、礼儀正しく真面目に過し、29歳になった。<br />他人との距離のとり方に、何かしらぎこちなさを感じる理加子は、ふつうの恋、あたりまえの生活を夢見るようになっていた。<br />そんなある日、彼女の前に江木という男が現われて……。<br />切なく心に迫る長篇小説。<br />ふつうの恋と生活、それが29歳、理加子の夢!