花を好んだ11代将軍・徳川家斉に、各藩は競って自慢の花を献上した。<br />四国・宇和島藩も、花造りの名人・田吹弥兵衛に花菖蒲を造らせ献上した。<br />だが無残にも家斉は冷笑し、細川家献上の肥後菖蒲を讃美する。<br />その結果、弥兵衛は割腹した。<br />息子・弥十郎は、悲憤に耐え肥後に潜入する。<br />花造りを盗むための隠密である。<br />異色の題材に挑んだ時代長篇。<br />